健康診断について

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健康診断は、まだ病気の自覚症状などが現れないうちに、病気やその予兆を早期に発見することで、病気の治癒の可能性を高めたり、発症を予防したりすることにつなげるものです。とくに高血圧や糖尿病といった生活習慣病と呼ばれるものは、そのままにしていると動脈硬化を引き起こし、脳血管疾患や心疾患に至る危険があるものです。しかし早期のうちに発見し、生活習慣の改善に取り組めば、重篤な病気の発症を抑制することが可能になります。

当院では健康診断について、企業の雇入時健診や定期健診、自費による健診、行政による特定検診などを行っています。ご自身の健康状態についてきちんと知り、適切な健康管理をすることはとても大切です。年に一度は健康診断を受けることをお勧めします。

企業健診

雇入時健診や定期健診などの企業健診は労働安全衛生法に基づいて行われるもので、働く方の健康増進や、健康的に働ける環境づくりには欠かせない健診です。当院での企業健診を、ぜひお役立てください。

雇入時健診

事業者は常時使用する労働者を雇い入れる際は、その労働者に対して、下記の項目について、医師による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第43条)。

  • 既往歴、業務歴の調査
  • 自覚症状、および他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、視力、聴力の検査、および腹囲の測定
  • 胸部X線検査
  • 血圧の測定
  • 貧血検査(血色素量、赤血球数)
  • 肝機能検査(ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP)
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  • 血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1c)
  • 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
  • 心電図検査

定期健診

事業者は年に1回(深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年2回)以上、定期的に下記項目の健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第44条)。

  • 既往歴、業務歴の調査
  • 自覚症状、および他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、視力、聴力の検査、および腹囲の測定
  • 胸部X線検査、および喀痰検査
  • 血圧測定
  • 貧血検査
  • 肝機能検査(ALT(GPT)、AST(GOT)、γ-GTP)
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
  • 血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1c)
  • 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
  • 心電図検査

※身長・腹囲、胸部X線、喀痰、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、心電図の各検査については、医師が必要でないと認めた場合には、省略することができます。

自費健診

現在、何らかの症状がなく、健康診断目的の各種検査を受ける場合は自費健診となります。症状があって病気が疑われる場合の検査は保険適用となり、患者様の自己負担は1~3割となりますが、自費健診では全額、患者様負担となります。

ただし、今は症状がなくても体の隅々までチェックしたい、生活習慣や家族の病歴で不安点があるといったときに、自費健診では検査項目をご自身で選択し、検査を受けることができます(保険診療での検査項目は、症状に応じて医師が判断したものとなります)。
なお、自費健診の結果、何らかの病気が発見された場合は、それ以降、その病気の診療については健康保険が適用されます。当院で受けられる検査項目や料金については、お気軽にお問い合わせください。

特定検診

特定健診(特定健康診査)は高齢者医療確保法に基づいて毎年実施されるもので、40歳~74歳の国民健康保険加入者を対象に、公費による補助があります。

当院は苫小牧市が指定する健診実施機関となっています。詳しくはこちらをご参照ください。

特定健診は40歳~74歳の国民健康保険加入者を対象にメタボリックシンドロームに注目した健診を行い、早期に生活習慣病のリスクを発見し、指導を行うことを目的とした健診です。

特定検診が生活習慣病を重要視するのは、生活習慣病が死亡のリスクを間接的に高める大きな要因となるからです。死因の上位である脳血管疾患や心疾患はその要因として動脈硬化があります。とくにメタボリックシンドロームと呼ばれる状態(内臓脂肪型肥満に加え、高血圧、高血糖、脂質代謝異常のうち二つ以上がみられるもの)は、動脈硬化を招く危険性を高めます。その一方で生活習慣病は初期には自覚症状がほとんどないことが多いため、発見と対応が手遅れとならないよう、メタボリックシンドロームの早期発見・指導を目的とした特定健診が重要となります。

基本健診項目

項目 内容 健診結果からわかること
診察 身体診察・問診 病気の有無や症状など健康状態の確認
身体計測(身長・体重・腹囲) 肥満など体格のバランスの確認
血圧測定(収縮期・拡張期) 高血圧症・動脈硬化の危険性
血液検査 脂質 中性脂肪
HDLコレステロール
LDLコレステロール
脂質異常症・動脈硬化の危険性
肝機能 AST・ALT・γ-GT 肝機能の障害など
血糖 ヘモグロビンA1c 糖尿病の危険性
尿検査 尿たんぱく 腎機能の障害など
尿糖 糖尿病の危険性

詳細健診項目(医師が必要と判断した場合のみ)

項目 健診結果からわかること
貧血検査 貧血
心電図検査 不整脈、心肥大、心筋梗塞、狭心症など
眼底検査 動脈硬化の進展度
腎機能検査
(血清クレアチニン・推算GFR)
※医師の判断に関わらず全員に実施
腎不全、慢性腎臓病、腎炎など